「雛人形を飾らなくなってずいぶんと年数が経っているけど、手放そうかな?」「引越しを機に雛人形を手放そうかと思っているけど捨てても良いの?」など、雛人形の処分には悩んでしまうものです。
娘の幸せを願って飾り続けた思い入れのある雛人形を、普通に捨てることに抵抗がある方も多いでしょう。ただ実は、知らないだけで“捨てる以外の処分方法”ももちろんあります。
– 雛人形の処分方法8つ –
本記事では、雛人形を手放す時期や供養の仕方も詳しくまとめておりますので、雛人形の処分にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
目次
雛人形は、女の子の健やかな成長を願い、桃の節句に飾られる日本の伝統的な人形です。
古来より続く風習であり、豪華な衣装を身にまとった人形が、家庭の平安と子女の幸福を願う象徴とされています。
雛人形は、家族の歴史の一部として大切にされることが多く、処分する際は感慨深いものです。だからこそ、処分を考えたら、感謝の意を示すためにもう一度、丁寧に飾りつけをして家族と共に節句を楽しむことが大切です。
最後のお祝いとして、心を込めた飾り付けを行うことで、雛人形への感謝の気持ちを表しましょう。
雛人形は女の子の成長を祝うためのものなので、彼女が成人に達したり、結婚などで家を出る際に処分するのが一つの良いタイミングです。
これは子が家庭から独立し、自身の足で歩んでいくことを示す節目として、雛人形にもその役割を終えてもらうという考え方に基づいています。
雛人形を心をこめて飾り続けてきたからこそ、処分するときも適切な方法で行う必要があります。不用意に捨てることは、伝統や想いを軽視する行為につながりかねません。
長年家庭の健康や幸運を願い飾られていた雛人形には、多くの思い出が込められています。そのため、処分する際には供養を選ぶことをお勧めします。
神社で行われる雛人形の供養会や、雛人形を受け入れてくれる業者を利用することで、適切に感謝を込めて処分することができます。
雛人形を燃やして処分することは、火災予防条例や廃棄物処理法により禁止されています。雛人形を適切に処分するためには、自治体の指示に従うか、専門の業者に相談することが肝要です。
雛人形の処分をせざる得ない時には、自治体のゴミとしてそのまま処分することもできます。
これまで子供を守ってくれた大事な存在であり、ゴミとしてそのまま捨てるには忍びない方や気持ちの区切りがつかない方は、このあとご紹介する供養などその他の方法を選ぶ方が後悔しないでしょう。
感謝の気持ちを持って処分を進められる方は、自治体のゴミ回収を利用してください。
雛人形の処分方法にはこれからご紹介する8つの方法があります。
他のゴミや不用品を捨てるのとは意味が違うだけに、雛人形の処分は納得のいく方法をしっかり検討しましょう。
これまで雛人形が守ってくれたおかげで今があると、人形へは感謝の気持ちが尽きないものです。
その気持ちを込めて処分するのに最適な「お焚き上げ供養」という方法があるのをご存知ですか?主に、供養の方法は以下の3つがあります。
身近な寺社の中には、持ち込みで「お焚き上げ供養」「人形供養」といった名称で受け付けているところも結構あります。
寺社に持ち込む前には、あらかじめ手順や持ち込みの際の注意を伺っておくと良いでしょう。たとえば、雛人形の入っていたガラスケースや燃えない部品などは受け取りしてくれないことが多いので注意してください。
お経をあげてお焚き上げしてもらえるため、不安なく処分ができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
お焚き上げ供養は、人形などの供物を神社などで焼き清め、神聖に供する儀式です。
長い間、家庭で大切にされた雛人形を始め、不要になった神具やお守りなども含まれます。この儀式を通じて、物に込められた想いや精霊を鎮め、感謝を込めながらお別れする文化的な慣習といえます。
雛人形を供養に出す前には、いくつかの確認が必要です。まずは供養を受け付けている寺社を見つけ、供養の日時や方法について確認しましょう。
供養料が決まっているところもありますが、決められていないところなら3,000~10,000円程度なら問題ありません。「いくらなら失礼がないのか」分からない時には、直接、寺社へ相談しても良いでしょう。
また、次の項目も確認が必要な大事なポイントです。
本体のみを受け付ける寺社もあれば、付属品も含めて一式で受け入れてくれるところもあります。
供養を依頼する前に、どのような物品が受け入れ可能か事前に確認することが重要です。付属品が受け付けられない場合、それらは別の処分方法を探す必要があります。
そもそも「どんど焼き」とは、正月飾りをはじめ、古いお守りや破魔矢などをお焚き上げ供養する日本の伝統行事です。
地域によっては、雛人形もどんど焼きで処分が可能です。ただし、雛人形のように装飾が豪華で大型の物品は、場合によっては受け入れ不可のこともあるため、予め地元の行事主催者に確認が必要です。
雛人形を郵送で受け付けしている有名なのは、千葉県の長福寺です。遠方からでも郵送で供養の依頼ができます。
長福寺の供養依頼
受付期間 | 365日 |
供養の依頼方法 | 持ち込み・宅配便 |
雛人形の供養料 | 10,000円(七段飾り 20,000円) |
特徴 | 雛人形へ3ヶ月間読経を行う
専用の火葬炉で僧侶による火葬を行う |
長福寺の公式ホームページ | https://ningyoukuyou.jp/index.html |
その他、有名なのは、明治神宮人形感謝祭のように雛人形供養イベントが全国各地で開催予定があるので、そのタイミングで供養を依頼することもできます。
明治神宮人形感謝祭の依頼方法
受付期間 | 9時~15時(開催日は要確認) |
供養の依頼方法 | 持ち込み |
雛人形の初穂料 | 一袋3,000円(オーバーすると随時算定) |
特徴 | 毎年秋に開催される |
明治神宮人形感謝祭の公式ホームページ | http://ningyou-kanshasai.com//uketuke.html |
雛人形は、お住まいの自治体のルールに従って一般のゴミとして処分することも可能です。一辺の長さが30㎝以上になると「粗大ゴミ」として扱われるのが一般的です。
粗大ゴミ以外では、不燃ゴミや可燃ゴミに分けて出すようにしてください。
一般ゴミとして捨てられることは理想的ではありませんが、実際にはそのように処分されることもあります。普通のゴミと一緒に捨てても問題はありません。
自分なりの供養の気持ちを示すには、雛人形を白い紙か和紙に包んで塩を振るのがおすすめです。それにより気持ちを込めることができます。
この一手間を加えることで、長年家族を見守ってきた雛人形への感謝の気持ちを表し、粗末な扱いを避けることができます。
自治体で雛人形のイベントを実施しているところもあります。ひな祭りで飾らなくなった雛人形を供養してもらえます。
ただし、供養料や保管料がかかることもあるので、詳しくはホームページをご確認ください。
雛人形の中には、美術品や骨とう品としての価値があるものもあり、買取ができる場合もあります。
専門店では価値のあるものであれば、積極的な買取が可能です。以下の条件に当てはまるか分からない場合には、無料査定を依頼してみましょう。
雛人形をフリマアプリやネットオークションで売ることも可能です。ネットサービスの良さは、自分で値段を自由に設定できることです。
反面、雛人形は「災いを身代わりとなって受け入れてもらう」性質があるものだけに売れやすいとは言えません。売れた後の梱包や発送方法をあらかじめ考えておく必要もあります。
「雛人形を別の場所で再利用してもらえたら嬉しい」と思う時には、寄付をする方法もあります。
老人保健施設や医療機関などでも雛祭り前には雛人形の展示はしていますが、なかなか寄付を広く受け付けているものではないでしょう。そこでご紹介したいのが、寄付団体への問い合わせです。
不用品の寄付ができる有名な団体「セカンドライフ」でも、雛人形、ガラスケース入り人形についてで寄付の条件を詳細に記載しています。リユースしきれない雛人形の保管期間が長くなっている事情があるためです。
サイズ | 1箱160㎝サイズに入るもの |
1口 | 10,000円(供養料・お焚き上げ以外は寄付) |
雛人形 | ガラスケースを外す |
雛人形を知り合いや友人に譲る方法もあります。ただ「雛人形は子供の災厄を引き受けてくれる存在」なので、親しい間柄でも譲るのはこうした意味合いから見るとあまり良くないと考えられます。
しかし、雛人形に対する考え方は人によりさまざまであり、双方の気持ち、地域性、習慣から折り合いがつけば譲ると決めるのも良いでしょう。
雛人形を処分する際に、不用品回収業者を利用する方法もあります。七段飾りや大型のガラスケースに入っている雛人形だと、運び出しをする際にも一苦労するものです。
不用品回収業者へ依頼すれば、都合の良いタイミングで回収してもらえるので非常に楽に処分ができます。雛人形以外にも初節句で贈られた人形や飾り物などもあれば、一緒に回収してもらえるので便利です。
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上記のような方もいるでしょう。そこで、雛人形をお焚き上げ供養・処分してくれる場所をご紹介します。
年に1度のひな祭りで供養を行っているところもあるので、お近くの地域がないかご確認ください。
受付 | 1年中対応 |
依頼方法 | 宅配便・電話またはWEBサイトで申し込み |
供養料 | 1箱5,000円+ゆうパック料金 |
住所 | 東京都台東区柳橋2丁目1−9 東商センタービル |
特徴 | 送られてきた人形キットに梱包する |
ホームページ | https://www.ningyo-kyokai.or.jp/ |
備考 | ガラスケースは不可 箱の3辺の大きさが合計170cm以上・重量が30kg以上のものは不可 |
毎年10月ごろに行われる東京大神宮の人形感謝祭で供養してくれます。
受付 | 1年中対応 |
依頼方法 | 持ち込み(9:00〜16:00)・宅配便 |
供養料 | 10,000円(七段飾り 20,000円) |
住所 | 千葉県長生郡長南町長南969 |
特徴 | 雛人形へ3ヶ月間読経を行う 専用の火葬炉で僧侶による火葬を行う |
ホームページ | https://ningyoukuyou.jp/index.html |
備考 | ガラスケースは別途3,000円 |
受付 | 1年中対応 |
依頼方法 | 持ち込み(9:00〜18:00)・宅配便 |
供養料 | 5,000円〜 |
住所 | 東京都大田区南馬込1丁目16−2 |
特徴 | 毎日受け付けている |
ホームページ | https://honjyuin.com/ |
備考 | ガラスケースは別途2,000円 |
受付 | 1年に1度 |
依頼方法 | 持ち込み・宅配便 |
供養料 | 5,000円 |
住所 | 鴻巣市立総合体育館 |
特徴 | 申し込み点数に達した時点で終了 |
ホームページ | http://kounosubina.under.jp/ |
受付 | 1年に1度 |
依頼方法 | 持ち込み(人形文化交流館)・宅配便 |
供養料 | 5,000円 |
住所 | 徳島県勝浦郡勝浦町大字生名字月の瀬35-1 |
特徴 | 地域の改善や発展に寄与することを目的として始まったお祭り |
ホームページ | https://bighinamaturi.jp/ |
備考 | 付属小物、ひな壇、屏風等、ガラスケースは不可 |
受付 | 1年に1度 |
依頼方法 | 持ち込み(老神温泉観光協会)・宅配便 |
供養料 | 1セット5,000円 |
住所 | 群馬県沼田市利根町老神607−1 |
特徴 | 昭和63年に始まったひな祭り |
ホームページ | https://www.city.numata.gunma.jp/event/tone/1010521.html |
受付 | 1年に1度 |
依頼方法 | 持ち込み |
供養料 | 1体3,000円〜 |
住所 | 長野県須坂市須坂352−2 |
ホームページ | https://hinamatsuri.suzaka.jp/ |
受付 | 1年に1度 |
依頼方法 | 持ち込み・宅配便 |
供養料 | 5,000円 |
住所 | 静岡県袋井市久能2915−1 |
特徴 | 本殿に32段・約1,200体のお雛様が並ぶ |
ホームページ | https://www.kasuisai.or.jp/ |
備考 | ガラスケースは不可 |
雛人形を捨てずに、売却したり譲渡したりする場合は以下の点に注意しましょう。
できる限り汚れを落とし、きれいな状態にすることが大切です。清潔さは潜在的な買い手や受け取る人に良い印象を与えるだけでなく、雛人形自体の価値を高める要因となるでしょう。
雛人形を手放す際には、雛人形以外の付属品が完備しているかを確認しましょう。
装飾品や屏風、お道具など、細かな部品が全て揃っている必要があります。欠品がある場合には価値が減少するため、売却額や譲渡の際の交渉にも影響します。
雛人形を他人へ譲渡またはお子様へのお下がりとする際には、厄払いをしてから手渡すことを推奨します。
厄払いは古いエネルギーを清め、新しい持ち主への良いスタートを祈願する意味合いがあります。寺社での祈祷や自宅で塩をまくなど方法はさまざまですが、形式に捉われず心を込めた行動が大切です。
雛人形は何歳まで飾ると明確に決められているわけではありません。成人して家を離れた時、結婚した時から飾る機会が無くなった方が多いと考えられます。人によっては、いくつになっても雛人形を飾り続けているという方もいるので、何歳までしか飾れないという意味合いはありません。
そのため、成人後や娘の結婚後、引越しのタイミングなど処分しなければならないタイミングが来た時に雛人形の処分を考えます。何年も飾り続けることができるのであれば、何ら問題なく飾れるものです。
しかし、一般的には家族の環境が変わるにつれ、飾らなくなることが大半です。飾らなくなったら処分のタイミングが訪れたと考えるのが無難でしょう。
雛人形の処分で悩んでしまうのが「ガラスケース」です。雛人形そのものや飾り物は、可燃ゴミで出せるもののガラスケースはそうは行きません。
ガラスケースは、自治体の粗大ゴミ回収を申し込む必要があります。
粗大ゴミ回収で出すには、上記の流れで処分ができます。ガラス製なので扱いには充分注意をしてください。
付属品や部品が単体での供養を受け付けてもらえない場合は、リサイクルショップへの売却、フリーマーケットでの販売、クラフト材料としての再利用などが考えられます。
場所によってはパーツも含めて供養してもらえる場合もあるため、情報を集めてみましょう。
雛人形の処分をするには、大型のものであれば運び出しにも戸惑ってしまうものです。そのような時には、ぜひKADODEにお気軽にご相談ください。
処分に困るガラスケースやその他の部品も一緒に回収できるので、手間もかからず楽に処分することができます。
また、お急ぎの場合でも、雛人形はもちろん、他のいらなくなった家具や不用品もまとめて同時に回収が可能です。
さらにKADODEでは、不用品の「買取」も行っています。思い入れのある雛人形だけに、処分にお困りで依頼された方もたくさんいらっしゃいます。まずは一度ご相談ください。
最後に雛人形を処分するときによくある質問をまとめました。あとから後悔することがないように、雛人形を処分する前に確認しておきましょう。
雛人形を捨てる際の呪いや祟りの概念は、迷信と見なす意見もありますが、文化的背景や個人の信仰心によって受け止め方は異なります。
一般的には、感謝の気持ちを込めて丁寧に処分することが、何らかのバチや不運を避けることに繋がるとされています。
形があれば精霊が宿るとの考えが根強いため、儀式を通して雛人形との別れをきちんと行うことは、気持ちの整理にも有効です。
雛人形を供養したいときは、神社やお寺に持ち込みましょう。ご自身で焼却処分するのは防災法により禁止されている地域もあります。
お寺によっては郵送も受け付けているので、雛人形の持ち込みが難しいときは郵送可能なところを選びましょう。
雛人形を供養せずに処分したからといって、何かあるわけではありません。ただし、雛人形にはお守りや厄祓いの意味があります。人形に魂が宿ると考える人は、供養をする方が良いでしょう。
呪われたり、運が悪くなったりしないか心配な方は神社やお寺の方に相談してから決めるのも1つの手です。
雛人形のリサイクルは一部で実施されており、古くなった雛人形から可愛らしい小物やアクセサリーを作成するワークショップなどが存在します。
繊細な衣装や美しい装飾は再利用価値が高く、アップサイクルのアイテムとして新しい命を吹き込むことができます。
ただし、リサイクル対象となる雛人形は、状態が良好であることが多いため、破損や汚れが目立つものは適さないことも考慮する必要があります。
雛人形は、お守りと同じような存在であり、処分しても問題ないのか気になる方も多いものです。
娘の成長を願って飾ってきた雛人形であり、思いがこもっているものだけに、処分する際には感謝の気持ちを込めましょう。
雛人形への思い入れは人によって異なりますが、後悔しないで手放すためにも十分検討し、納得のいく方法で処分してくださいね。
不用品回収例
など、様々な不用品処分に
ご活用いただけます。
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